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大規模修繕の積立に生命保険を活用するのも1つ

不動産賃貸業を営んでいる個人や法人の家主さんにとっては、いずれ来るであろう大規模修繕にむけて資金を確保しておく必要があります。東京都都市整備局から発表されているマンション実態調査結果によると、行った工事の内容で一番多いものが「外壁修繕」、次に多いものが「屋上防水、塗装」となっています。毎日、雨風にさらされ建物は日に日に傷んでいってしましますので、将来の資産価値低下による賃料収入の減少や空室対策として大規模修繕は必須となります。

修繕の金額については、一戸当たり60万円から90万円が相場のようです。例えば2階建てのアパートで各階5戸であれば、だいたい600万円から900万円といった計算になります。また、一般的な統計によるとおおむね10年から15年の周期で大規模修繕が必要になるようです。仮に10年後に900万円の修繕があると想定した場合、年間90万円の積立が必要になる計算となります。これらの資金確保の方法として考えられるのは、まず第一に現金預金としてそのままとっておくという方法です。今のご時世、利息もほとんどありませんし、そもそも使ってしまう可能性も無きにしも非ず…。困ったときの資金化という観点からは良いのかもしれませんがなかなか難しいかと思います。

次に考えられるのが生命保険を活用するという方法です。契約者及び保険金の受取人は法人、法人の役員を被保険者として契約することにより支払った保険料の一部又は全部の損金化などメリットもあります。

生命保険を活用することのメリット・デメリット

メリット

  • 生命保険ですので万が一の保障も得られる
  • 保険料として支払うため積立金を使ってしまうというリスクからは解放される
  • 保険料の損金算入により節税にもなる

最大のメリットは、不動産オーナーにもし万が一のことがあった場合の保障ではないでしょうか。これは預金として積立てておくこととの決定的な違いとなります。

デメリット

  • 修繕のタイミングが確定的でないので解約返戻金のピークと修繕のタイミングがずれる可能性がある
  • 現金としての積立てに比べ資金の流動性が低い

解約返戻金は益金の額に算入しますので、大規模修繕による修繕費の発生と同タイミングにする必要があります。修繕の内容が建物の価値を高めるようないわゆる資本的支出に該当した場合、修繕費として一時の損金になるのではなく、固定資産に計上し減価償却として各期の損金になってしまいますので修繕の内容には注意が必要です。

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