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今さら聞けない経理処理 非課税売上と非課税仕入の違い

会計ソフトに入力する際の疑問でこういったものがありました。「なぜ、非課税仕入と不課税仕入(対象外)は特に区別する必要がないのに、非課税売上と不課税売上(対象外)とは、区別しなければならないのですか?」

答えは消費税の計算方法に影響するからです

以前にもご説明しましたが、消費税の計算方法は「受取った消費税(売上にかかる消費税)-支払った消費税(仕入れにかかる消費税)=納付する消費税」という仕組みになっています。しかしながら、これは課税売上割合(売上に占める課税売上の割合)という割合が100%だった場合です。この課税売上割合を正しく計算しないと納付税額を正しく計算できませんので、会計ソフトで仕訳を入力する際には「課税売上」なのか「非課税売上」なのかを正しく入力する必要が出てきます。

  • 非課税売上の代表例…預貯金の預け入れに伴う利息、土地や住宅の貸付など
  • 不課税売上の代表例…保険金の入金、助成金の入金など

なぜ仕入側は非課税でも不課税でもよいのか

では、仕入側(商品などを購入した側)は仕訳を入力する際に「非課税仕入」と入力しても「不課税仕入(対象外)」と入力してもどちらでもよいのでしょうか。厳密には、消費税法上の非課税取引は列挙されていますので非課税仕入なのか不課税仕入なのかは、しっかりと分けて入力する必要があります。しかしながら消費税の計算においては、この区別が仕入側で何かに影響するかというと、何も影響しません。課税取引なのか不課税取引なのかを区別できれば支払った消費税を計算することは可能となります。従って、支払が発生した際には、課税なのかどうかを区別して課税でないのであれば全て不課税で入力してもらっても影響がないので不課税で入力してもらっているパターンが多いのかもしれません。

  • 非課税仕入の代表例…保険料を払った、借入金の利息を払ったなど
  • 不課税仕入の代表例…給与を払った、お祝いを渡したなど

結論としては、売上も仕入も正しく入力するのがよいかなと考えます。税額には影響しませんが非課税取引としては売上も仕入も表裏の関係にあるわけで、正しく消費税を理解するといった観点から区別して入力しましょう。まずは、課税なのか課税対象外なのかの判断をしてもらって、課税ならば非課税取引に該当しないかどうかを判断するといった流れになります。

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